大切なことは全部リスティング広告が教えてくれた

リスティング広告運用者からWEBメディア編集者へ。そこで学んだことを色々まとめてみるよ。

なんでリスティング広告って嫌われちゃうんだろう?を考えてみる

リスティング広告に携わらせてもらってから、2~3年でリスティング広告が嫌で、とか、飽きちゃって、とかでジョブチェンジをしたり辞めてしまったりして人たちをこれまで多く見てきました。

加えて、そういう風に離脱者が必ず出る中で自発的な参入者が一向に増えないんです。転職の面接をした方も経歴がリスティング広告運用だったから、「これは是非お願いしたい!」と思っても「リスティング広告はやりたくありません。だから転職しました。」という回答が返ってきたり。

 

なんで、リスティング広告って嫌われちゃうんだろう?

 

これがもし私の体験だけでしかなく、実は一般的にはそうでもないってことであれば問題は私自身だったりにあるのかもしれませんが、今回はそんな話。

リスティング広告に携わってからのタイムラインを意識してまとめてみます。

 

その1:こんなの広告じゃない!!

広告業界志望者に多そう。広告が好きでこの業界に入ってきた人にとって、ウェブ広告というものすらちょっとギャップを感じやすいはずなのに、その中でもリスティング広告となるとそのギャップは頂点に達する人もいるのではないでしょうか。

リスティング広告は「検索ワードに対して答えを返す手法」だと思うので、そもそも「広告」じゃないと思います、むしろ「情報」に近い。そういう意味で広告をやりたかった人にとっては苦しいと感じるのも無理は無いんじゃないかなって思います。中には潜在層向けワードを購入して運用する場合もあるので、その場合は「広告」になるかもしれませんが、大半は顕在層向けワードに表示させる「情報」です。

 

その2:パソコン作業ばかりでちっともクリエイティブじゃない

リスティング広告は管理画面とエクセルとの格闘なので、こういう考えに陥る気持ちもとてもよく分かります。

毎日毎日、管理画面からレポートダウンロードしたり、入稿ファイルを作ってアップロードしたり。そのへんを仕組み化できてアウトソースできたり自動化できたとしても、やることはテキストだけの世界で、入札とか管理変更、やってもタイトル説明文の検証やLP検証。もっと企画とかデザインとか、そういうアイディアを用いたクリエイティブな仕事なんです、やりたかったことは。

こんな感じでしょうか。

その3:とにかく帰りが遅いのが辛過ぎる

気づけばフロアにいるの、リスティング広告やってる人たちだけ。そんなシーンが増えてきます。あれだけの量のデータやエクセルと向き合っていれば終わりなんか無いに等しくて、お客様からも突発依頼とか来るしで、全然帰れる気がしない。

そんな日々を暮らしていくうちにリスティング広告に大きな期待を寄せられているということを実感できないくらい、追い詰められていくんでしょう。

今はどうなのでしょう?どこも仕組み化されて多少は一般的な時間に帰れるようになったのでしょうか。

 

その4:同じことの繰り返しで、終わりがない

月初に前月着地利用をソワソワしながら確認、で速報で実績を報告。デイリーレポートを送り、週次レビューや隔週レビューへ。ちょっとしたら前月の月次レビューを報告し今月・来月あたりの方針をすり合わせる。で、そこで決まった施策などを残りの期間で反映し月末まで利用調整。で、月初に着地利用を・・・

みたいな感じでやってることって毎月変わらずループTHEループ。しかもCPA顧客を持った場合は「今月だけやる」とかではなく「獲得の基盤だから半永久的に」ってところが大半なので終わりもないことが多いですね。そうなってくるとメリハリがなくなってきて、最初のうちは成長を感じられるけどその後はルーチンをこなしている感覚になって成長実感もない・・・みたいな感じに陥ったりします。

 

その5:評価が減点方式、CPA合って当たり前、がつらい

帰りも遅い、でもお客様の獲得の基盤だから予算は大きい金額任されてる、数字にすごくシビア・・・こんなに大変で責任重いから評価してくれますよね!?

でも実際はリスティング広告は「効果が合って0点」「ミスしたり効果合わないと”なんで?”を追究される」、つまりは減点方式のことが多いです。もちろんその中でしっかり結果出して会社から大々的に表彰される人も必ずいます、でもそうやって日の目を浴びるのは極一部なので、であればお客様とか社内の営業とかに評価されたいところですが、そうは甘くないのがこの世界。

 

その6:やってて意味あるんでしたっけ?これ

で、成長実感も感じられず、評価/報酬も満たされることもなく、もともとやりたいわけでもなかったので「これやってて意味あんでしたっけ」となり嫌いになっていく。段階を考えるとこんな感じなのではないかと推察します。同じ大変でも、だったらやりたいことやるし、他に人はわりとすぐ帰れたりするし、何で自分だけこんなに攻められなくちゃいけないの?みたいな感じでネガティブ思考の連鎖&ループになっていくのではないでしょうか?

 

 

どれもこれも自分の推察を脱し得ないですが、こういう風にリスティング広告運用を捉えてしまうととっても残念だなって思います。もちろん大変なのは間違いないし、地味だし、追いかける数字は重いです。

でもそれでもリスティング広告運用で得られる体験やスキルってあるんですね。そういうことをもっと広げられる伝道師が必要だと思いますし、頭良い人とか、リスティング広告運用マスターみたいな人がそれっぽく語ってもダメで、実感が湧かないといけないんだと思います。そういう時代だと思います。

しかも、最近はデータフィード活用や動的な運用、自動最適化機能など、上記に挙げた「大変さ」などの種類が変わってきているし、もっと運用者が手じゃなくて頭を使える環境が一昔前に比べたらだいぶ整ってきていると思います。だから単純に「やってて楽しい!」かもしれないですから食わず嫌いにはならないでほしいと思います。

 

自分はマスターでもないし、最新の運用手法は分からないし、偉そうなことを語れるようなキャリアを積んでるわけではないですが、リスティング広告は大好きだし、あの経験があって今があると思っているので、ひとまず自分の考えを次回にまとめていこうと思います。

 

今日は花金なのでここまで。