大切なことは全部リスティング広告が教えてくれた

リスティング広告運用者からWEBメディア編集者へ。そこで学んだことを色々まとめてみるよ。

クライアントからの「依頼」の大半は「依頼」じゃないと考えるべき

久しぶりのポストです。

 

なぜそんな気になったかと言うと、

先日社会人の大先輩に飲みに連れて行ってもらったのですが、

そこでこんな話になったんです。

 

「そりゃ、ミスだってするよね、人間の仕事だもの」

 

うん、よく話す話。

特に広告運用やってた時とかそんな会話多かったです。

 

でも大事なのはここじゃない。

次の一言がこのポストを生みました。

 

 

「人に指図されたら、そりゃうまくいかないよね」

 

 

もう、ほんとそれ、それに尽きます。

どういうことか。

 

うまくまとまるか分かりませんが、書いてみます。

 

 

クライアントからの依頼をさばくだけでその日全部終わっちゃう人

 

リスティング広告が嫌になるパターンでこれはあると思います。というかウェブ広告代理店アルアルなのかも。

 

例えばデイリーレポートを送った時の返信で、数字の変化を突っ込まれ、それに対しての施策提案を求められてみたり。

 

レポートを送ってなくても、クライアントが管理画面を見て数字のことをメールで突っ込んできたり。「なる早で」という言葉を添えて。。。

 

なんなら、クライアントから作業手順まで指示されちゃう。

 

そんなサイクルにはまると、その日はその対応を優先にせざるを得ないので、本来やりたかったタスクに手を付けられず、ToDoが減らない、、、むしろ増える一方

 

ランチの時とかに、そんな人は同僚と、

 

「もうA社(クライアント)の依頼多すぎ、どれも緊急対応だし。」

 

そんな愚痴をこぼし、またデスクへ向かう。

 

そしてそんなスタンスだから、集中力も散漫になり、しかるべきステップを怠り(忘れ)、気づかぬうちに作業ミスもしちゃったりして。

 

だいたい、口に出したことは実現されます。

愚痴だってそう、吐いたら吐いた分だけ身に降りかかる。

 

でもそれって、本当に「依頼」?

ここからが本題です。

今までお話ししたこと、「クライアントからの依頼で手がいっぱいになっちゃう」ということですが、果たしてその「依頼」って本当に「依頼」なんでしょうか?

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これは自分の経験上持ち合わせている持論ではありますが、

 

クライアントからの「依頼」の大半は「依頼」じゃないです。「指摘」です。

 

 

どういうことか。

 

 

「来月この商品をリリースするので、このプロモーションの提案ください」

 

これは立派な「依頼」

 

 

では、これは?

 

「昨日の効果が悪くなっているみたいです。要因と対策をください」

 

これを「依頼」だと思う人が多い。

しかもこの手は「なる早」対応を求められるので「緊急依頼が多いクライアント」だと感じてしまう。

 

けれども、個人的にはこれは「指摘」だと思っています。

「指摘」というのは、こちらの落ち度があったり、本来予定されていなかった事態に対してされることです。

 

「指摘」が来るのはほぼほぼ自身のせい

 

なぜクライアントからこのような連絡が来るのか?

想像するにこんな感じでしょう。

 

1.クライアントは毎日前日の数字を上司や部署に報告している

2.だから午前中のうちに前日の数字を自分でもチェックしている

3.昨日の数字が悪いけど、代理店の担当者から特別な連絡はない

4.でも午後には数字を社内に報告しないといけない

5.だから代理店の担当者に連絡して聞いてみた

 

ここで注目すべきは、1と3。

1は、対峙しているクライアントが社内でどういう役務を負い、どんな業務を行っているかを把握しているかどうか、です。これを把握しているかどうかで、そのクライアントとのベターな向き合い方は変わってくるはず。頻度高く手厚くケアすべきところと、頻度よりも質を重視して濃い報告をすべきところ。これはそれぞれです。

 

そしてもっと重要なのは3。

これを言うと気負いしてしまい、精神的負担を感じる人もいるのかもしれませんが、前日の数字は世の中の誰よりも自分自身が早く把握しておく必要があります。クライアントに先に把握されるのはもってのほか。

クライアントよりも先に数字を把握して、それが問題あるかどうかをジャッジし、問題あればその旨と対策を自分からクライアントへ報告する。これができているかどうかで、信頼関係はガラリと変わりますし、何よりもタスクのコントロールの主導権を自身が持てるので仕事の仕方に大きな差が出ます。

 

タスクの主導権があれば、仕事はリズムカルで楽しい

 

ここで冒頭の先輩の一言に戻ります。

 

「人に指図されたら、そりゃうまくいかないよね」

 

これは要はタスクの主導権を相手に握られている、ということです。

相手の指図に沿っていては、自分らしい働き方や仕事の進め方もできないですし、少なからずあるプライドだって侵食されます。

 

そんな状況に至っているのはクライアントから「指摘」されているのであって、「依頼」されているわけではない。そのことに気づかない限り、タスクの主導権は相手に渡ったままなんです。

 

これは何も対クライアントの話だけでなく、対上司や同僚にだって言えることだと思います。

 

主導権が自身にあれば、今日は何をやる、いつまでにやる、というのが自分でコントロールできます。タスクを組み立てることすら楽しくなるし、テンポよくリズミカルに仕事は進んでいきます。

 

そういった波に乗るとしばらく心地いい状態が続きます。逆に波にぶつかると、一時的にグッと負荷をかけないと波に乗ることはできません。負荷というのは、例えば労働時間を無茶する、とかです。それで何とかなっちゃうこともあるので、一向に仕事の仕方が変わらない人も多いのではないでしょうか

 

それは「指摘」ではないかかどうか考える

いずれも完全に持論のため、正しいかどうかはわかりません。

でも「依頼」「指摘」をしっかり分けて考えられるかどうかは、自分のビジネスマンとしての価値をはかる上でも、目の前の仕事をスムーズに進める上でも非常に重要だと自分は考えています。

 

リスティング広告をはじめ、運用型広告は作業量が膨大です。

その作業は「依頼」由来なのか、「指摘」由来なのか。

 

「指摘」だったら改善しましょう。「指摘」かどうかを考えるには以下の問いを自らにしてみることをおすすめします。

 

 

「この仕事は本来存在したものか?」

 

 

「指摘」から生まれる仕事は本来はなくても良い仕事なんです。それをエンドを切られてやらないといけないだなんて、苦しいですよね。

 

日々運用型広告と向き合っている方々、なんか仕事がうまくいかないな、とおもっている方の明日からのヒントになれば幸いです。

リスティング広告で得られたポータブルスキルがとても大事だと思う話

正直言って、ここ最近リスティング広告には触れていないので、Adwordsのこととか、最新の機能や傾向などはよく分からなくなっています。リスティング広告に関する細かな知識やスキルは、いわゆる”テクニカルスキル”に属すると思うので、いつだって最前線で接していないと衰えるんでしょうね。もしリスティング広告でご飯を食べようと再起するには、それ相応の努力が必要だと感じます。

 

でも、それでも、体に染みついたスキルがリスティング広告を通じてあると思っています。いわゆる”ポータブルスキル”のことで、社会人になって初めてやった仕事がリスティング広告運用で本当に良かったなって考えてます。前回は「なんで嫌われるの?」っていうのを考えてみたので、今回はそのアンサーソングばりな話です。正直、この数年のインターネット広告業界は「アドテクアドテク、アドテクー」と狂ったように叫ばれていて(最近その反省論も出てきてほんわか)、大事なことを見失ってんじゃないの?とも思っていたので、そんなアドテク本位な人材に対する警笛でもあります。

 

そもそも身につけるべきスキルを改めて整理してみる

ではそのスキルとは!?に入る前に、もっと前提の話を簡単にします。ビジネスマンが身につけるスキルって色々あるというのは、よく研修とかでも話を聞くと思います。ざっくりまとめると・・・

 

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こんな感じでしょうか。(自分らしからぬポップな色使い・・・汗)

ヒューマンスキルがおおもとのベースになって、次にポータブルスキル、

最後にテクニカルスキル、といったもの。それぞれの解釈を自分なりに説明すると、

 

ヒューマンスキル

 その人の人間性とか、これまでの人生で後天的に身に付けたもの

 (雑に言うとキャラ、価値観、性格、など)

 

ポータブルスキル

 どんな仕事でも活躍する文字通り「持ち運び可能な」スキル

 (ロジカルシンキング、コミュニケーションスキル、アウトプットスキルなど)

 

テクニカルスキル

 その仕事に必要な専門的スキル、ここでいえばリスティング広告のスキル

 (媒体知識とか、QSの理解とか、順位決定ロジックとか、事例・ノウハウとか)

 

です。特にビジネスシーンではポータブルスキルとテクニカルスキルを日々磨くことになるんだと思います(実はヒューマンスキルこそ肝だ、と最近教えを受けましたがその話はまた今後)。

で、タイトルの通り、リスティング広告で日々運用しているので最後の「テクニカルスキル」に目が行きがちだけど(もちろんリスティング広告のプロだからこのスキルを磨くのは当たり前です!!!)、本気でやったらポータブルスキルが凄く磨かれているんです!これが自分がリスティング広告に本気で向き合って良かったと思えることの1つです。

 

ではここから具体的にどんなスキルが磨かれるかまとめたいと思います!

 

その1:ロジカルシンキング

もともと感覚でしか物事を捉えられなかった自分が、リスティング広告に関わったことでゼロベースで身につけられたスキルです。まだそんなキレッキレなロジカル人間!ではないですが、そこそこかなと(振り切り過ぎても危ないので)。

これはリスティング広告だけに限った話ではないですが、ウェブ広告の指標というのは数式化することが可能です。コンバージョンで言えば「IMP×CTR×CVR」ですし、CPAで言えば「CPC÷CVR」です。リスティング広告というのは、このコンバージョンとCPAをとにかく突き詰める広告手法ですから、他のウェブ広告を扱っている人よりも、この数式がやたらと全身に染み付きます。

毎日のように「コンバージョン何件だ?CPAいくらだ?」って追いかけてるので、それを構成する指標である「CVが減ってる!なんで?」「IMPはどうなった?」「なんでCTRがこんなに下がったんだ?」「競合がタイトル説明文変えてきてないか!?」と、コンバージョン・CPAの変化に対して、「WHY?」を2回も3回も掘り下げていきます。あらゆる可能性を考えて分析していきますのでMECE的な思考になっていきます。学生時代に習った感じで言うと、結果に対して徹底的に因数分解するイメージ。

 

そんなことを繰り返していると頭の中はこんな絵ができあがることになるんですね。

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いわゆる「ロジックツリー」みたいなもので、縦の論理と横の論理が成り立った思考になってきます。 (本当は要因1の要因1の要因1、みたいにさらにWHYが深掘られるケースが多いですがスペースの都合上割愛・・・)

 

縦の論理=「本当にそうなの?なんでそうなるの?」

横の論理=「他にないの?本当にそれだけ?」

 

です。

こんくらいまで考えられると結果に対して、課題も見えてくるし、そこに対してクリティカルな打ち手も考えられるんじゃないかと思います。これって決してリスティング広告だけで必要なことじゃないですよね?

 

その2:森から木への思考順序

 リスティング広告っていうと管理すべき対象キーワード数が多過ぎて、全部と向き合ってたら24時間じゃ足りません。でも数字目標を達成しないといけない。じゃあどうするか?

「森から木へ」、大きな枠組みから捉えて、問題点を発見したら、細かなところまで見ていく。そういうことです。

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キーワードは森なのか木なのかと言われれば木です。いや、むしろ木でもなくて枝かもしれませんが。どうしてもエクセルとの戦いをしていると細かなキーワードレベルで捉えがちになりますが、それでは大きな動きを読み取ることはできませんし、インパクトの大きい打ち手を見出すことはなかなかできません。そして、最適解に対して最速で辿り着くこともできません。この森から木への思考順序を身に付けることで、リスティング広告の運用効率は上がるし、効果自体も数%のレベルではなく数十%のレベルまで改善させることが可能です。クリティカルなもの、大きな流れを把握する視点、リスティング広告のようなインターネット広告の中でも細かな運用を求められる商材だからこそ、それが身に付くのです。

 

その3:インサイトの洞察力

リスティング広告を運用していて「ユーザー態度」の把握に役立つ指標は3つしかありません。検索数・CTR・CVRです。検索数は「何故このタイミングで伸びたのか、減ったのか、大きな検索数の流れは、今どんなワードの検索数が伸びてるのか」、CTRは「他にも並ぶ広告の中で何故この広告がクリックされたのか、されないのか」、CVRは「何故あの広告を見て、このページを見た人がアクションに至ったのか、至らなかったのか」など、そのあたりを”ざっくり”と把握することが可能な指標です。

その”ざっくり”とした把握から、より深く切り込んでいく。私はその点に力点を置いてリスティング広告運用を行っていました。そもそも担当している広告主の業界は売り手が優位か、買い手が優位かで運用の考え方は全然変わってきますし、ユーザーのインサイトもがらりと変わります。しかもそれは普遍的なものではなく、時代が変われば一緒に変わってくるし、併載される競合企業によっても変化するので厄介です。検索数・CTR・CVRは、そんな深い思考の入り口のドアを開けるきっかけになってくれる指標です。こいつらの変化を見逃さず、インサイトの洞察力を高めていくのがリスティング運用の醍醐味だと自分は思っています。

 

その4:アウトプットスキル

リスティング広告は毎週・毎月のようにその実績をレビューします。しかも、予算の中で最もリスティング広告に最も比重高く割いている広告主も少なくないので、純広告のようなエクセル表で効果表一枚+コメント、程度の浅いレベルでは切り捨て御免ものです。ただでさえ管理している変数が劇的に多い上に、お客様が大注目している商材なのでアウトプットは相当な気合いと気配りが必要になってきます。何なら「完璧なフォーマット」というのはなく、お客様の特性に合わせてカスタマイズする必要もありますし、広告予算の大半を占めている商材なので「そのまま上司に報告できる資料」にしなければならない場合もあります。

そうすると、自ずと複数のアウトプットパターンを学び、身に付けることになります。業務効率観点ではレポートを定型化するのがベスト、会社目線ではそれは正しいでしょう。ただリスティング広告の運用を「いち個人の人材価値向上のための訓練」と考えるならそれはNGです。どんなに非効率でもカスタマイズすることこそその人個人のスキル向上に必ず役立つと私は思います。私はこれまでどの広告主にも他と同じレビュー資料を使ったことはありませんし、同じ広告主でもずっと同じフォーマットではなく、毎回のようにアレンジを加えて常に”ベストは何か”を探究していました。それでもCSは非常に高く、粗利を稼ぎ、営利も抜群に良かったと自負しています。見た目は非効率でも、それによって得られる価値は、それ以上だったはずです。私は、楠木建さんの有名な著書「ストーリーとしての競争戦略」が大好きですが、ここで述べられているWTP(Willing To Pay)とCostの話で言うと圧倒的に前者を高めることを追求してきたんだと思います。自分が現場で運用していた時は、市場成長率も好調だったので、WTPを高めればそれ以上の対価が得られたんですね、今は過去ほど市場成長率が高くなくなってきたのでCost観点が必要だとは思っていますが。。。

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その5:プレゼンテーションスキル

レビューをする機会が多いということは、自ずとプレゼンする機会も同じ数あるということです。何を隠そう私はもともとこのプレゼンというのが大嫌いで、部内などで行われるプレゼン大会やロープレなども何かしら理由をつけて全て避けてきました。実際にお客様の前でプレゼンする時もそれはもう酷いものでした。それでも、数をこなし、都度反省点を挙げて次に活かす、ということを繰り返していけば誰だって成長できるものです。リスティング広告コンサルタントって何が魅力?」とよく聞かれることがありますが、その時に必ず答えていたことのひとつに「まだ20代の社会人としてペーペーな若者が、リスティング広告という華の商材を扱っているだけで、社会人の大先輩であるマーケッターの方やお客様に堂々と対峙しプレゼンする機会を得られるんだよ、それってスゴくない?」と話していました。今でもそれは本当にそう思います。貴重な貴重な経験なんです。

 

その6:マーケティングマインド

その1のロジカルシンキングでWHYを深堀していく中で、必ず必要になってくるのがこのマーケティングマインドです。よくあるマーケティングのフレームワークの中でも、とりわけ3Cを利用することが多いのがリスティング広告です。3Cとは言わずもがなCompany(自社)・Competitor(競合)・Customer(市場・ユーザー)の3軸で考えるフレームですが、ここにMedia(媒体)を加えて「3C+M」というフレームでよく分析したりします。フレームを活用するのははっきり言って表面的であれば誰にでもできるわけで、ここで敢えて”マーケティングマインド”と言っているのには理由があります。フレームをいくら使っても表面的な分析しかできず、ありきたりな示唆しか導き出せないのであればあまり意味はありません。何が本質で、クリティカルか、何故この商品は売れたのか、売れなかったのか。それらの「売れた理由」「売る術」ととことん向き合うことが重要で、そうすることでマーケティングマインドは磨かれていくものだと思います。

 

その7:PDCA

これはリスティング広告従事者の真骨頂と言っても良いスキルでしょう。以下前回のエントリーでも触れましたが、リスティング広告は「半永久的な改善が要求されるエグい商材」なんですね。だからこそ、結果を受けてリプランニングし、それを実行し、結果を分析し、また次のアクションに繫げて改善を図らなければなりません。

iroakiata.hatenablog.com

 これ、やっている間は本当に大変だし辛いことも多いのは確かなのですが、この徹底したPDCAを愚直にやってきた人ってまだまだ業界には少ないんです。やってたとしても途中で投げ出しちゃった人とか、そんな大変そうなの絶対嫌だと関わってこなかった人たちがいっぱいいます。でも世の中のあらゆるものがデジタル化していくこの世の中。この愚直なPDCAができるかどうかは、必ず人材価値の差として生まれてくると思います。だから、逃げずに、貪欲にリスティング広告と向き合う。お客様にパフォーマンスをお返しする。そのことを突き詰めていけば、花は必ず開けます。

 

その8:逆算能力

たとえば目標のCPAが1000円だとして、現状が2000円だとします。そうするとCPA=CPC÷CVRですから、CPCを半額にするか、CVRを倍にするか、もしくは双方を改善する必要が出てきます。じゃあそのために何ができるか?を考えていく。「目標と現状を整理し、ギャップを把握し、それを埋めていく取り組みをしていく」という目標からの逆算を実はリスティング広告運用では日々行っていたりします。この逆算能力というのは、リスティング広告に関わらず、プロジェクトを動かす際や何かゴールがあるもの、つまりはほぼ全てのビジネスにおいて必要になってくるので、リスティング広告という小さな単位ではありますがしっかりそのスキルを身に付けることはできるのです。

 

 さいごに

ざっとまとめるとこんな感じでしょうか。他にもあるよ〜って方がいたら是非コメント寄せてくれると嬉しいです。過去にもところどころ触れていますが、リスティング広告に「本気」になった人はこういったスキルを身につけることができると思います。ただ、残念ながら「本気」でない人が少なくないのが現状で、ここで挙げたスキルもそれなりにしている人では全然身に付いていないのです。だからもっと「本気」になろうよ!って話なのですが、ではその「本気」って何なのか?それは「プロとしての姿勢」と「顧客向き合い」です。

 

これを語り出すとまた長くなるので今日のところはこのへんで。

 

長文にお付き合いいただき、有り難う御座いました。

 

 

なんでリスティング広告って嫌われちゃうんだろう?を考えてみる

リスティング広告に携わらせてもらってから、2~3年でリスティング広告が嫌で、とか、飽きちゃって、とかでジョブチェンジをしたり辞めてしまったりして人たちをこれまで多く見てきました。

加えて、そういう風に離脱者が必ず出る中で自発的な参入者が一向に増えないんです。転職の面接をした方も経歴がリスティング広告運用だったから、「これは是非お願いしたい!」と思っても「リスティング広告はやりたくありません。だから転職しました。」という回答が返ってきたり。

 

なんで、リスティング広告って嫌われちゃうんだろう?

 

これがもし私の体験だけでしかなく、実は一般的にはそうでもないってことであれば問題は私自身だったりにあるのかもしれませんが、今回はそんな話。

リスティング広告に携わってからのタイムラインを意識してまとめてみます。

 

その1:こんなの広告じゃない!!

広告業界志望者に多そう。広告が好きでこの業界に入ってきた人にとって、ウェブ広告というものすらちょっとギャップを感じやすいはずなのに、その中でもリスティング広告となるとそのギャップは頂点に達する人もいるのではないでしょうか。

リスティング広告は「検索ワードに対して答えを返す手法」だと思うので、そもそも「広告」じゃないと思います、むしろ「情報」に近い。そういう意味で広告をやりたかった人にとっては苦しいと感じるのも無理は無いんじゃないかなって思います。中には潜在層向けワードを購入して運用する場合もあるので、その場合は「広告」になるかもしれませんが、大半は顕在層向けワードに表示させる「情報」です。

 

その2:パソコン作業ばかりでちっともクリエイティブじゃない

リスティング広告は管理画面とエクセルとの格闘なので、こういう考えに陥る気持ちもとてもよく分かります。

毎日毎日、管理画面からレポートダウンロードしたり、入稿ファイルを作ってアップロードしたり。そのへんを仕組み化できてアウトソースできたり自動化できたとしても、やることはテキストだけの世界で、入札とか管理変更、やってもタイトル説明文の検証やLP検証。もっと企画とかデザインとか、そういうアイディアを用いたクリエイティブな仕事なんです、やりたかったことは。

こんな感じでしょうか。

その3:とにかく帰りが遅いのが辛過ぎる

気づけばフロアにいるの、リスティング広告やってる人たちだけ。そんなシーンが増えてきます。あれだけの量のデータやエクセルと向き合っていれば終わりなんか無いに等しくて、お客様からも突発依頼とか来るしで、全然帰れる気がしない。

そんな日々を暮らしていくうちにリスティング広告に大きな期待を寄せられているということを実感できないくらい、追い詰められていくんでしょう。

今はどうなのでしょう?どこも仕組み化されて多少は一般的な時間に帰れるようになったのでしょうか。

 

その4:同じことの繰り返しで、終わりがない

月初に前月着地利用をソワソワしながら確認、で速報で実績を報告。デイリーレポートを送り、週次レビューや隔週レビューへ。ちょっとしたら前月の月次レビューを報告し今月・来月あたりの方針をすり合わせる。で、そこで決まった施策などを残りの期間で反映し月末まで利用調整。で、月初に着地利用を・・・

みたいな感じでやってることって毎月変わらずループTHEループ。しかもCPA顧客を持った場合は「今月だけやる」とかではなく「獲得の基盤だから半永久的に」ってところが大半なので終わりもないことが多いですね。そうなってくるとメリハリがなくなってきて、最初のうちは成長を感じられるけどその後はルーチンをこなしている感覚になって成長実感もない・・・みたいな感じに陥ったりします。

 

その5:評価が減点方式、CPA合って当たり前、がつらい

帰りも遅い、でもお客様の獲得の基盤だから予算は大きい金額任されてる、数字にすごくシビア・・・こんなに大変で責任重いから評価してくれますよね!?

でも実際はリスティング広告は「効果が合って0点」「ミスしたり効果合わないと”なんで?”を追究される」、つまりは減点方式のことが多いです。もちろんその中でしっかり結果出して会社から大々的に表彰される人も必ずいます、でもそうやって日の目を浴びるのは極一部なので、であればお客様とか社内の営業とかに評価されたいところですが、そうは甘くないのがこの世界。

 

その6:やってて意味あるんでしたっけ?これ

で、成長実感も感じられず、評価/報酬も満たされることもなく、もともとやりたいわけでもなかったので「これやってて意味あんでしたっけ」となり嫌いになっていく。段階を考えるとこんな感じなのではないかと推察します。同じ大変でも、だったらやりたいことやるし、他に人はわりとすぐ帰れたりするし、何で自分だけこんなに攻められなくちゃいけないの?みたいな感じでネガティブ思考の連鎖&ループになっていくのではないでしょうか?

 

 

どれもこれも自分の推察を脱し得ないですが、こういう風にリスティング広告運用を捉えてしまうととっても残念だなって思います。もちろん大変なのは間違いないし、地味だし、追いかける数字は重いです。

でもそれでもリスティング広告運用で得られる体験やスキルってあるんですね。そういうことをもっと広げられる伝道師が必要だと思いますし、頭良い人とか、リスティング広告運用マスターみたいな人がそれっぽく語ってもダメで、実感が湧かないといけないんだと思います。そういう時代だと思います。

しかも、最近はデータフィード活用や動的な運用、自動最適化機能など、上記に挙げた「大変さ」などの種類が変わってきているし、もっと運用者が手じゃなくて頭を使える環境が一昔前に比べたらだいぶ整ってきていると思います。だから単純に「やってて楽しい!」かもしれないですから食わず嫌いにはならないでほしいと思います。

 

自分はマスターでもないし、最新の運用手法は分からないし、偉そうなことを語れるようなキャリアを積んでるわけではないですが、リスティング広告は大好きだし、あの経験があって今があると思っているので、ひとまず自分の考えを次回にまとめていこうと思います。

 

今日は花金なのでここまで。

 

 

リスティング広告やっててホント良かったと今思ってるよ、そんな話

はじめまして、iroakiataです。今年31歳です。全然キャッチーじゃない名前ですみません。

今はとあるWEBメディアの編集をさせてもらっています。もともとはリスティング広告っていうウェブ広告を長年支えてきたというか中心であった広告手法のコンサルタントを9年近くやってました。なので比較的リスティング広告運用には詳しい方だとは思っています。

 

最近、編集者をさせて頂くようになってから色々な経験をさせてもらっているし、それゆえに色々な人たちに出会います。そうなってくると日々考えることが増えるんですね。で、だからこれはアウトプットせなアカンなと思ったんです。

 

だから、今日から暇な時間を見つけてブログを綴っていきたいと思います。

 

タイトルの意味ってなんだ?

正直、WEBメディアの編集をはじめてからまだ1年も経ってないから、「編集とは!!」とかそういうの言えないし分からないです。

でも、WEBってことは「データが取れる」ってことなんで、数字を見てジャッジをしたり改善策考えたりするのも編集者の仕事でしょって思ってます。

 

そんな仕事が編集者にはある、とした時にそこに着手するハードルが個人的には無いに等しいくらい低かったんですね。で、なんでだろう??って思って2秒くらい考えたらすぐ出ました、リスティング広告やってたから」です。そんな話。

はじめての投稿だから、まずはジャブ程度に簡単にまとめて綴りたいと思います。

 

GoogleAnalyticsとか「あぁ、Google先生のでしょ」で済む

雑な言い方するとホントこれなんです。

リスティング広告を9年間やってたんで、Googleのことには慣れてます。そして、おなじみの管理画面UI。Apple製品ばりに「直感的に」どこにどんなデータが表示されるか分かるんですよ。だから全然迷うこともないし、「なんか小難しそう」と思うことはまずないんですね。むしろ「管理画面サイコー」っていう志向になってますから、GoogleAnalyticsの管理画面とかリスティング広告の何倍も色々なデータ見れるからワクワクドキドキが止まらないんです。ブラウザに表示されている珠玉のデータたちを「はやくCSVでダウンロードしたい!!」って思っちゃうわけです。

 

アクセス解析の指標とか、リスティング広告やってた頃から気にかけてますから

これもそう。ウェブ広告の指標というと、インプレッション・クリック・CTR・CPC・コンバージョン・CVR・CPAとかがメインだったりしますが、9年間もリスティング広告をはじめ運用型広告やってると、「集客だけ最適化しても埒アカンずら」って絶対なるんですね(なってないコンサルタントと今お仕事してる広告主さんがいたら、さっさとそんな人替えてもらうか、その広告会社なんてリプレイスした方が良いです)。そうしたらどこに目を向けるかって言ったら、「集客以前の認知・興味などのファネル」か、「集客後のサイト回遊・離脱などのファネル」なわけです。

だから、自然とお客様のマスプロモーションの状況とか把握したくなるししてたし、「せっかくQS10まで上げて高CTRでサイト誘導したぜっ!!」って誇っててもランディングページが全然イケてなくて2秒で直帰してたり、フォームやカートがザル過ぎてユーザー離脱しちゃってるし。みたいなデータを他部門の人だったり、お客様に聞いてみたりしてきたわけです。「いかにお客様に成果でお返しするか」を考えてたら、絶対そういうことまで気にかけて広告運用してるんですよね。

だから、たとえばリスティング広告の管理画面上では出てこない直帰率・離脱率・ページビュー/セッション・新規率・リピート率・平均滞在時間とかとか、GoogleAnalytics触ったことなくても概念的に理解してるわけです。あとはその概念的理解を具体的理解に落とし込むのは数秒で足ります。

 

巷では「グロースハッカーだ!」とか「PDCAだ!!」とか騒がれてるけど、そんなん昔からやってますから

なんか最近「グロースハッカー」とかいうの流行ってますよね。名前はなんかすごくそれっぽいですけど、実際に中身を見るとPDCAの連続に真正面から向き合う役割を与えられた人であり、指標や視点は多少変われど、リスティング広告の運用と大差ないです。なんで今さらこんなそれっぽい名前を作ってもてはやしてるのか、自分にはちょっと疑問ですが、リスティング広告に本気で向き合ってた人は適任だと思うのでそういう採用の仕方したら良いと思います。

 

GoogleAnalyticsとは毎日にらめっこしてますが、日々そんなこと感じてます。

自分は何度も言うように社会人としてのキャリアをリスティング広告から始めてますから、それに従事する人にはHAPPYになってほしいし、そこで得た経験は絶対ほかの仕事でも活きて来るよ!!!というのを証明したいなって思ってます。

だからこのブログの最終ゴールは『リスティング広告風WEBメディア編集のすすめ』とか、『大切なことは全部リスティング広告が教えてくれた』、みたいな本を出版することかなって思います。出版社の方々、今からちょっとでも気にかけてくれると嬉しいです。

 

本日はお腹が空いてきたのでここまで。

これからどうぞよろしくお願い致します。